2005年2月

~~~ミルク色のコチカ~~~


奮闘記 -45-


重たぁ。。


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2/12予防接種

2月1日(火)

もう2月!
こないだお正月が終わったばかりなのに。

夕方のお散歩。
十字路の駐車場の隅。
アパートと家との間からミルキーが出てきた。

コチカは背を低くして様子を伺う。
そういえば獲物を見つけた草原のライオンもこんなだったっけな。。

こうしてコチカは見ているだけなのだ、と安心していたら、
ミルキーが前を通りかかったとき、バッ!と飛び掛った。

恐らくミルキーもコチカは来ない、と思っていたのだと思うのに、
コチカは飛び掛った。
でも、ミルキーは反撃もしてこない。
私がいるからか。

コチカの右手の爪には、ミルキーの毛が束になって引っかかっている。
血はついていないようだ。
ったく。。




 *  *  *  * 

2月3日(木)

鬼は〜外、の日。
最近の鬼は外が恐いのでうちから出て行かないんじゃないかって気がする。。

とってもきれいな陽射し。
風もないので朝なのに暖か。
そのせいだろう。
ミルキー、ニャオン、アスカ、知らない黄色い猫、ペッタン、トラちゃんが、
あっちこっちから顔を出す。

トラちゃんとは挨拶をした。

カメラを持っていたのだが、気分がのんびりモードになっているので、
なんかうまく焦点があわせられない。
トラちゃんなんか動きが速過ぎて、とてもとても、追えない。
チャコちゃんちの車の下にいるお饅頭アスカから離れないコチカ。
じっと待っている間に、
チェリーんちの奥さんとチェリーが出てきて、
トラちゃんが性格の優しいペッタンを追い掛け回すので、
ペッタンがうんざりしている、という話を聞き、
向かいのお宅の奥さんが出てきたので、またちょっと話をし、
奥さんちの庭で日向ぼっこをしているニャオンを見て、きったな〜い、と笑ってから、
チェリーと奥さんは買い物に行ってしまい、
今度はタロウが居候しているお宅のご主人が出てきて、
アスカ、来い、と言ってみたけどアスカは出てこないので、
自転車に乗って出かけていった。
コチカはまだ動かない。

だんだん寒くなってきた。
コチカ、行こうよ、コチカ〜。
リードをいっぱいに伸ばしても、
私が立つ場所はわずかに陽射しからははずれている。
ちょっとの差で、とっても寒いのだ。

* * *

ミルキーが相変わらず、だみ声を張り上げながら、うろついている。
突き上げてくる衝動を、声に置き換えて搾り出しているようで、
もう気の毒としかいいようがない。

* * *

午後になって、コチカは嘔吐。




 *  *  *  * 

2月4日(金)

きれいなお天気。
コートだけだとちょっとすーっとするが、
それがまた気持ちいい。

コチカを門柵に結わえておいて、通りを掃除をする。
しばらくしてから抱っこしたコチカの毛は、
春になりかけの陽の光をいっぱいに含んで、
ほっこり暖かい。
あ〜コチカ〜
陽がステキなのか、コチカが好きなのか???

* * *

夕方、帰宅が遅かったので、
コチカの散歩にいけなくなってしまった。

コチカは、外〜外〜、と声を荒げて私のまわりをうろうろしている。
ごめんねコチカ、今日は、行けないよー、と(より)困った風に、ごめんねごめんね、を連発したら、
人の顔をじっと見上げて、納得した様子で、
居間でおとなしくなった。
わかったのか?

ごめんね、という言葉を言うときの人間の心のありようを、
動物は理解するのだろうか。
ふむ。




 *  *  *  * 

2月5日(土)

夜中のこと。
左手首に、つんとした痛みを覚えて目が覚めた。

コチカは私の腕の上に乗って寝ている。
が、暗いし、はっきり見ようとするほど意識も覚醒していない。

手の感触からして、どうやらコチカは私の手を抱いているらしい。
で、
コチカはときどき、手を交差させて顔をぎゅっと押さえつけるようにして、
のびをするのだが、その両手の中に私の手が抱きこまれ、
ぎゅっとする際に、コチカの、たぶん親指の爪が当たったのだろう。

と大体のことがわかったので、そのまま寝た。
次に気がつくと、コチカはいなかった。
手だけが冷た〜くなっている。
用がなくなったら、布団の中に入れといてくれればいいのに……って無理よね^^\




 *  *  *  * 

2月7日(月)

寒い。
でもコチカは外へ行きたい。
しかたなく行く飼い主。とほほ。。

十字路の大きな家(アスカが居候している)のブロック塀を、
生垣にするらしく、何人かの職人さんが出入りしている。
軽トラも何台か。
その一台一台の点検をしなければならないコチカ。
タイヤに両手をかけ、くんくん臭いを嗅ぎ、
思い切り、鼻をすりつける。
ありゃ、と興味深げに職人さんが見ている。
恥ずかしいのよね、そういうのって。

* * *

そろそろ予防接種の注射の時期だと思い、
いつもの獣医さんに電話をしたら、
使われておりません、というオートメッセージが。
あれれ、と地域のHPを探してみたら、
なんと、去年の8月で医院を閉じたそうな。
ありゃあ。

* * *

うちの駐車場のフェンスから入った、居間の窓の下……
6月にもなれば成長したアジサイが大輪の花をつける場所なのだが、
冬の間は、枝を切り落としてあるので、砂地が出ている。

ときどきコチカはそこを掻き、トイレスタイルをするのだ。
今日もした。
用の済んだ後、いつになく熱心に三方から砂をかけるので、
ちょっと掘り返して見てみたら、なんと、濡れている。
むむむむ。
これっておしっこ?
それとも元々濡れてたの???




 *  *  *  * 

2月8日(火)

冷たく暗い日。
霙が降っている。
さすがのコチカも外に出たいとは言わない。
家の中でずぅぅっと寝ている。
脳ミソ溶けそ。。




 *  *  *  * 

2月9日(水)

朝の散歩。
私が早くからバタバタしていたので、お昼近く。
おとといにも見かけた、十字路の角のお宅に入っている庭師さんたちが今日もいた。
お昼の休憩なのか、軽トラの中で一人一人が寝ている。
窓を開けっぱなしのまま。
さ、寒くないの?

* * *

ポメラニアンを2匹連れた女性に会った。
1匹は11歳と老犬で、もう1匹は7歳くらいだそうだ。
両犬とももらった犬だが、老犬の方は子供の頃からのアレルギーだそうで、
ずっとゴホゴホと咳をしている。
ポメラニアン特有の持病でもあるそうだ。
若い方は、元の飼い主が飼えなくなってしまったので、
危うく保健所に連れて行かれるところを、引き取ったのだそうな。
やれやれ。
優しい飼い主さんにもらわれてよかったよかった。。

* * *

コチカは今日は朝夕と満足に散歩に行ったのに、
何が気に食わないのか、大きなウンチを2つもした。
んもー!!!(湯気)


トラちゃんに会った


 *  *  *  * 

2月10日(木)

きれいな朝。
十字路付近に止まっている車のスカートをくんくんしているコチカに、
十字路のお宅に来ている、きゃはんを穿いた年輩の職人さん……なんとかいう若い俳優さん(要潤だった)と楽天の岩隈にそっくりな……が一人、
静かに微笑みながら近づいてきた。

職人さんは、自分の車の臭いを嗅いでいるコチカをだまって見ている。
しかたなく、車って猫の匂いがついてるらしくって、と言ってみたら、
うちにも猫いるから、と言った。

犬も17歳で死んだけど、今飼ってる猫ももう17歳。
けんかしてきたのか知らないけど、手首を傷めていて、病院に行って痛み止めを打ってもらったけれど、
薬も嫌いで飲まないし、びっこ引いてるよ、とのこと。

私はコチカのことも話した。
拾ったときのこと、排泄の仕方、去勢のこと、外に出さないこと。。

その職人さんの猫は雌猫で、一度、妊娠・出産、という経験をさしてやってから避妊した、と言っていた。
なんでも経験さしてやんないとよ、と職人さん。
たいていは家にいるけど、それでも季節になったら、しばらく帰ってこなくなる。
猫でもやっぱり強いオス猫の方がいいから、強いのがいるまで、探すんだよ。

そして、コチカを顎でしゃくり、
その猫も季節(発情期のことか)になったら出してやった方がいいよ。
と言った。

猫のために、窓の下を少し開けておいてあるのだが、ときどき、気に入った猫を連れてくるのだそうだ。
職人さんが帰宅して、自分ちの猫がいるから、と思って猫の出入り口を閉めると途端に、外から来た猫がパニックして暴れ出すんだ、

とニコニコしながら話した。
17歳で死んだ犬のことも聞いた。

火葬してもらってその灰もらってきて、骨壷に入れてある。家賃払えなくなったら家移んないといけないし、そしたら庭になんか埋めたら困っちゃうもん。だから家に置いてある。。

犬が17歳で死んでしまったので、猫が17歳、ということに不安を抱いているような感じだった。
なんだか心の温かい職人さんの話に、朝から泣きそうになる私。。

* * *

夕方。もう暗くなってから。
ペロ〜、とチェリーんちの奥さんが呼んでいる。

奥さんがこんばんは、とコチカの前に座ると、
コチカは背中を丸〜くして近づいていき、
奥さんの太ももにすりすりをした。
奥さんは、あらぁ、と嬉しそう。
それからコチカは地面にゴロン、となってしまった。
優しい人、ということはコチカもわかっているのだろう。
いつもノラ猫たちにご飯あげているし。
猫なりに近所を客観的に見ているのか、と思うとおもしろく、愛しい。




 *  *  *  * 


2月12日(土)

休日を1日勘違いして、今日からだと思っていた。
心構えもなく昨日を過ごしてしまい、なんか損した気分。

* * *

< タム動物病院にて予防接種 >

HPで見つけたタム動物病院にて、予防接種してもらおうと、
コチカをキャリーに入れて、さあ、出かけよう、と玄関を出たら、
キャリーの覗き窓がぴったり閉まっていなくて、
わーコチカ逃げちゃったー!!!、と夫。
叫びながら、ほいほい追いかけている。

そんなんじゃ余計逃げちゃうよ、と思いながら私はゆっくり外へ出た。
十字路を右に曲がったところの、チャコちゃんちの玄関の植え込みのところで、うずくまっている。
そこには、裏へ続く通路の木戸がある。
目を合わせないようにして、よそを見ながらゆっくり近づいた。
木戸の下をくぐって逃げ込むか、と思いきや、行ったことがないせいか動かずにじっとしている。
そばへ行ってコチカを撫ぜ、難なく捕獲。
やれやれ。
あー車とか走ってなくてよかったよかった。。

それにしてもなんだか不憫。
人間から逃れよう、と思っても、行ったことにないところには、行くことができないのだ。
もちろん一人でいたら、じっくり匂いを嗅ぎ嗅ぎ、安全を確かめながら行くから行けるのだろうけど。

* * *

初診料1000円で、りっぱな診察券を作ってもらった。

緊急手術に突入した猫の患者さんがいたので、
ずいぶん待たされたが、その辺は明日は我が身。
おとなしく待っていると、そう広くない医院なのに、
スタッフは充実しているのだろう。
やがて呼ばれ、診てもらえた。

まず、大きいですね、と言われた。
顔が大きい、と強調される。
やっぱり大きいのか。

拾ったときからの経緯や今の状況など、いろいろ問診された。
初期の段階で与えていたHill'sのP/Dという、
虚弱体質や未熟児などで産まれた子猫の用のご飯のせいで大きくなったのではないかしら、と言ってみたが、
そんなこととな関係なく、骨格の問題だ、といわれた。
去勢していないオス猫は顔が大きいのだそうだ。
でも、うちの近所のミルキーは、コチカより大きくないけどな。
コチカは背骨の骨が一個足りないのにな。。

あと、気になっていたことをいろいろ質問。

コチカのような状態だと、
やはり腎炎、膀胱炎などになりやすいので、要注意。

コチカの歯茎は少々腫れている。
将来的に歯石を取るのに麻酔をかけるような事態でもあれば、
腎臓に問題があると、非常に問題なので、
できるだけ歯磨きをしてやること。
は、歯磨き?そんなことコチカがさせるかしらん。。

尿道口にこびりついている黒いなにかは、
顕微鏡で見てもらったが、よくわからないらしい。
お湯にぬらしたティッシュを硬絞りし、拭いてやれば、とのこと。

フィラリアについては、基本的に、犬に寄生する病虫のことで、
猫には、体内に入ったとしても、多くは刺された近辺の皮膚か筋肉で、やっつけられてしまう。
日本で言われるようになったのは、
別の病気で死んだ猫を解剖したら、たまたま心臓に病虫がいたから、だという。
でもだからと言って発症もしていなかったのだそうだ。

日本は、国民性として薬好きなのであって、
そこへつけこんだ製薬会社とのからみで、
薬を出す習慣が根付いているのだ、ということだった。
私もそれは思う。
人間にだって、要りません、とはっきり言わない限り、やたらと出される。

アメリカでは、猫の予防接種も3年おきでよいことになりつつあるらしい。
という話を言ってみたら、病理的にみても免疫学的にみても、
それでいいのだ、と自分も思うが……と言っていた。
やはり製薬会社の陰謀か???

それにしても病院の中に置かれているパンフレットには、
こわ〜い話がいっぱい書かれている。
動物から人間に移る病原菌のことなど、
今にも感染して、注射して大量の薬を飲まないととんでもないことになるように思えて、本当に恐くなる。
でも、まわりを見ると、そんな病気で苦しんでいる人の話など、聞いたことがない。
あんまり脅かさないでよね。

診察台は体重計にもなっていて、それによるとコチカの体重は4.4kg。
おなかを触ると、ずいぶん脂肪がついている、とのこと。
将来的に膀胱を掴んで排尿させるのに、重くて人間の負担になると、
残尿しやすくなる傾向にあるだろうから、これ以上体重は増やさないこと。

診察台のコチカは、なにがなんだかわからずにただただたじたじ(ひらがなばっか^^;)している。
そのうちに、肛門で体温を測る段になって、助手の方が登場すると、
う〜、とうなりだした。
注射を受けている間、わずかな抵抗を見せるつもりか、長い体を湾曲させてている。
注射が終わると助手の方も退場し、獣医さんも注射管を片付けに行った。
私と夫だけが残されて少しは安心しているはずなのに、
今の痛かったのはいったい何?といった表情で、体の湾曲も直さない。
もう怒りと混乱を通り越して、無我の境地、という感じ。

* * *

家に帰ってきて、ほっとしてるだろうコチカ。
いつものように人間の夕食タイム。
コチカは、もうすでに自分の位置について、
あー来た来た、といわんばかりの目つきで、私を見る。
誘われるように手が出て、よしよし〜

お利口ちゃぁちゃ、ぃしっ、○○のちゃぁちゃ、ぃしっ、
お利口ちゃぁちゃ、ぃしっ、○○○○のちゃぁちゃ、ぃしっ
*マースくんの飼い主ムートンさんがマースの歌を紹介されたので、コチカの歌(呪文?)のちょこっとご紹介。ぃしっ、とは「よし」がなまったもの。コチカをなだめるときに頻繁に口にしていた言葉。○の部分は私と夫の互いの呼び名。

といつもの子守代わりの呪文を唱えると、
コチカの目つきがうろ〜となり、すっかりくつろぎのモードに入る。
ことりと腰を落とし、丸くなる。
頭から首筋、背中をそうっとそうっとなぜ、頭をのけぞらせ、ノドを見せたところでリクエストに答え、白いノド笛をよしよしよし〜
切れ長の目をうつろに保ち、関西風のお雛さんみたいなコチカ。
なんと美しいうちの猫。。
というか、要するに、猫という造形美に私はしょっちゅう感心する。




 *  *  *  * 

2月14日(月)

気持ちのよいお天気。
早めに出てのんびりお散歩。
コチカと外にいるときには、
ぼーっとすることに徹するようにしている。
その方がコチカものんびりできるだろうし。

行きも帰りも太陽に背を向けているのは、
背徳精神からではなく、甲羅干ししたいから^^\




 *  *  *  * 

2月15日(火)

今日は雨のはずだったのに、大はずれして真っ晴!
雨は明日にずれこんだらしいけど、またはずれないかな。。

というわけで、長々とお散歩。
そしてしばらくうちの駐車場のフェンス脇のわずかな砂地のあるところに繋いでおいた。
ぽかぽかと陽が当たって、コチカはご満悦。
ときどき東側の窓から様子を伺うと、
ぁ"〜と、うっとうしそうに声を出す。
入れって言ったって入んないよ、という風に聞こえる。
そんなつもりはないやい。
いたいだけいなさい、と放っておいた。

しばらくして、にゃ〜、と声がするので、
覗いてみると、もう陽が移り、陰になっている。
潮時はおのずの訪れるのね。
結わえてあったリードをほどいてみると、
コチカは砂まみれになっている。


わずかなスペースにわずかな砂地。
しばしばここでおしっこスタイルをする。


 *  *  *  * 

2月17日(木)

夕方の散歩。
十字路の角のお宅の塀の上にアスカがいた。
私がアスカに触ろうとしたとき、コチカがリードを引っ張った。
もうここを立ち去りたいのかと思い、私も歩きかけたが、
そうしたら、コチカはまたアスカのいる塀に戻った。
私がアスカに触ろうとすると、また同じことをする。
うぁーん、と言いながら。
コチカは私がアスカに触るのが気に入らないのだろうか。

コチカは塀の真下に来ると、いきなり駆け上った。
が、塀は160cmはあるので、当然登りきれない。
途中のブロックの溝に手をかけかなり頑張るが、
トランペットのふぁふぁふぁふぁ〜〜〜、と力が抜けてしまう感じ。
なので、私が手をかけて、鼻先をアスカに届かせてやった。
2匹はめでたく、鼻つんつんをした…と思った瞬間、アスカは身を翻し、下へ下りた。
コチカも、うにゃ〜〜〜〜、と声をあげ、
玄関の門に行き、門の柵からアスカのいるだろう方向に首を伸ばす。
でも、アスカは門の中。
あー、あー、と声は聞こえる。
コチカは門とは反対側の塀の終わりになる方向に走った。
私も走る。
隣の家との細い隙間に入っていくコチカ。
アスカのいる家の側は、ネットの柵になっている。
その柵の向こうからアスカが、あー、と言っている。
コチカはどんどん入ろうとする。。

こうしてみると、アスカはコチカを誘っているように見える。
いつもアスカは、声だけかけて、さっと走り去ってしまうので、
呼んだりして思わせぶるだけで、結局は逃げていく、と思っていたが、
あれは誘っていたのかも知れない。
そういえば、夫がずっと前からそんなことを言っていたな。

願わくば、アスカが私がいても気にせずに、コチカを誘ってくれること。
もっと言えば、コチカの行けるところで、待っていてほしい。
コチカが行けるところとは、私も行けるところである。

よく晴れた暖かい日の、十字路の駐車場なんか、いいんだけどな。
いつか本を持っていって、コチカとアスカと一緒に日向ぼっこをしてみたい。




 *  *  *  * 

2月18日(金) 文章長すぎ〜

寒い日。
朝の間ずっとコチカは寝っ転がって起きてこない。
それをいいことに、PCをばちゃばちゃ打つ。
今日は夕方に雨が降るという話だから、
夕方はちょっと早めに散歩に出ればいいや。

……という計算は見事にはずれた。

早い夕方、散歩に行った。
すっごく寒い中を、コチカが望むだけいてやった。
しかし、6時にご飯をやり、
買い物に行こうと、出かけるに用意をしていると、
コチカも嬉々として玄関と居間の間を飛び歩き、三和土に降りた。

玄関のドアにぎりぎりのところで私を待っているので、
コチカは行かないよ、と言ってやると、
しぶしぶ三和土から上ってきて、出て行く私を見送った。

うまく乗り切れた、と思っていたが、
帰ってくると、さーお散歩お散歩!とばかり、目を輝かせている。
そんな様子を見て、今日はもうなし、なんて言えない。。
第一、雨が降っていないのだ。
1日2回の散歩は定石になっている。

*

豆芝をつれている女性に会った。
二人の女性が一人に1匹ずつ豆芝を連れている。
姉妹と、犬の方は親子か兄弟か、と思ったら全然違い、
人間も犬も他人同士に他犬同士だった。
言われてみると、犬の顔もそれぞれ違う。

2匹ともコチカを興味深そうに見ている。
コチカは警戒しながらも、そこそこの距離があるので、落着いて見ている。

2匹のうち、あられちゃん、という名前の犬が、
子供の頃に猫に襲われたことがあるので、
いまだにそのトラウマから逃れられないのだ、という。

そういえば、あられちゃんは、少々怯えているようにも見える。
いろいろあるものだ、と思った。




 *  *  *  * 

2月21日(月)

遅い朝の散歩。

珍しいことに、うちの前から東に抜ける路地に、
ミルキーとトラちゃんが間隔を置いて座っていた。
早速カメラを持ってきて、ぱしゃった!

そうこうしているうちに、ニャオンとタローの姿が見えた。
小鳥が隣のお宅のモチノキに集まっている。
あー春なんだな。

老夫婦が歩いてきた。
あらー白い猫だ。うちにもいたねー、とご夫人。
この猫オス?メス?子供いる?白い猫ほしいな、とご主人。
え?あは…と絶句する私。




 *  *  *  * 

2月23日(水)

珍しく朝7時頃に起きた私んち。
私が起き出して、ふとんを整えていると、コチカがやってきた。
寝る雰囲気のさっぱりないことに、
怒ったような顔で、にゃー!と一声。

今日はもう起きるのよ、と背中を撫ぜてやったら、
む、としながらも納得した様子。

* * *

よいお天気で、今日がいわゆる花粉飛来のX-dayだったとか。
本当かな。
まだ今のところ花粉症を発症していない私には全然わからない。
こんな気持ちのいい日なのに、
地獄にいる思いをしている人がいるかと思うと、ひたすら気の毒。

コチカと30分ほどものんびりお散歩。
チェリーんちのお庭の前を通り過ぎたところのアパートの入り口で、
コチカがくんくんやっていると、
自転車置き場のついたて(なのかな)の向こうから、
ぬっ、と現れた白い姿はミルキー。
コチカを認めて、足を止めた。
コチカもくんくんをやめて、じっと見る。

ミルキーは、にゃ、と小さく言って、立ち去った。
コチカも動揺するでもなく、見送っている。

ミルキーはこのアパートの塀の上で、しばし休むのだ。
そのそばには、ソテツの高い木があり、小鳥たちがかまびすしく鳴いている。
ミルキーが来たので、余計、声が高く、うるさくなった。
コチカはそっと首を伸ばして見ている。
行こうかな、どうしようかな、と考えている様子。
さ、コチカが戻ろう、と動き出す前に牽制する私。
だってもう時間なんだもん。




 *  *  *  * 

2月24日(木)

少々曇り。
でもなんとなく散歩するのに悪くない日。
カメラを持って行こうかどうしようか、迷ってやめて、後悔した。

チェリーんちのトラちゃんが、自分ちの屋根の家から下りてきて、
そばにあった庭の木に飛び移ったのだ。
下にはコチカが好奇心旺盛な目を見開いていて……
下といってもうーんと下なのだが……。
トラちゃんにはコチカがどう出るかわからないから、
おっかなびっくり、距離を測りながら下りてくる。
脚をかけられそうな枝を選び、コチカを見、しながら下りてくる。
警戒心の強いマー君もわんわん吠え立てるし、
もーうるさいー、と思ってるのかどうか、
長い尻尾の先っちょが、ゆさーゆさー、と振れている。

あるとき、コチカが塀に飛びついたので、
トラちゃんは調子が狂い、
たった今両手を置いた枝に、両足をかけてしまった。
1本の横木に動物の4本の足。
これはきつい……とはらはらしていたら、
2、3度前後に揺れて、それでどうなるか、というところで、
都合の良い枝をうまく見つけて、飛び移った。
この辺の動物の運動神経って本当にたいしたもの。
返す返すも、あ〜ん、カメラ〜




 *  *  *  * 

2月25日(金)

昨夜のうちから、雪になった。
ばらばらばらばらっ、とものすごい音を立てていると思ったら、あれは、霰(あられ)だったらしく、
傘を持っていかなかった夫を迎えに外に出たら、
道路わきの植え込みの土に、直径1cmくらいの筒状の真っ白なあられが落ちていた。
あられって丸いものかと思っていたので、ちょっと意外。

駅に着いて、夫を待ち、外に出てくる間に、
あられは霙(みぞれ)に変わっていて、家にたどり着いた頃には、雪になっていた。
この間、17分くらい。
天候の変化するときに居合わせたかと思うとちょっと神秘的。って大げさ?

ところで、
もち米で作ったおかきのあられは、この霰から来ているの?
誰か知ってるひとー

そして今日は、雪にも霙にもなりきらない雨。
単に冷たいだけで希望のかけらもない。
コチカも外に出られずに、暗ーくしている。
明日は晴れるかな。。




 *  *  *  * 

2月26日(土)

ぅにゃーっ、にゃーっ、と激しく鳴いて起こすコチカ。
寝なさい寝なさい、と布団と上げてやると、諦めて部屋を出て行く。
しかしすぐまたやってくる。
繰り返すこと数回。
うへ〜
さてはお天気がいいのだな。

雨降りで散歩に行けなかった翌日がよいお天気だと、こういう悲惨な目に遭う。。
到底付き合ってはいられない。
お願い、コチカ。寝てちょうだい!寝なさいっっ。
と言葉を荒げたら、わかったのかどうか、布団の中に入ってきた。
やれやれ。
それから目を覚まして、やれやれよく眠れた、と時計を見ると、12時半!
コ、コチカ……あんたのせいよ。
今日は朝から唐招提寺展を観にいくはずだったのにぃ。。

* * *

夕食時、私が座ると、コチカは体を摺り寄せてくる。
早く終えて、早く食事にありつきたい私は、歌を歌ってやった。
なぜか、銭形平次。
私は見たこともないのだが、夫が子供の頃に見ていたそうで、
ときどき歌うので、最近では私もときどき口をついて出てくる。

(頭の天辺を絞る気持ちで)っはンなンの〜っおー江戸ーはちゃんちぃきおーけーさー、あれなんか違う…
とか言いながら歌ってやると、コチカは、もうたまらん、といった様子で、
顔の横をこすり付けてくる。
そしてバタンと横に倒れ、私の太ももに手をかけ、目を細めた。。
よしよし。
次回からこれでいこう。銭形平次で。

ちなみに今日初めて気がついたのだが、
コチカは撫ぜて欲しい側のひげを、
人間の手のある方向にたたむのでした。
え?わかりにくい?
あのですね。
例えば、人間と向き合っているコチカの左の頬側に、人間の手があって、
撫ぜてくれるだろう手に、体を任せたいという意志があるとき、
左側のひげが、ぺた〜と顔に張り付くのだ。
お宅のにゃんこはいかがでしょうか。




 *  *  *  * 

2月28日(月)

2月最後の今日、そう寒くもなく陽射しも柔らかなお散歩日より。
近所のお宅の植木鉢をじっくり匂いを嗅いで歩くコチカに、
ぼっさり気分でついていく。。

44 ⇔ 46