2006年6・7・8

~~~ミルク色のコチカ~~~

奮闘記 -62-

2006年7月


塀の中のコロちゃん。こわ〜い目つき。
どっかの白い猫が不躾に覗くから。。



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7/1再び病院へ:市販のノミ・ダニ駆除用スポット薬は効かない? 7/3散歩:出る・帰る、コチカとのかけひき/食欲が戻りつつある
7/6コチカアンカの効能二目櫛の芸術 7/13暑いさなか、コチカと頭を暖めあう 7/16明日は誕生日ぺろぺろしてくれるくれない
7/18人間が勝利した日 7/19 コチカに座布団と膝掛けを取られる/目下の命の洗濯 7/26自力でおしっこ
7/28ミルキーの耳に蚊が!/繊維摂取につき、滑り出るウ○チ?うしろめたいコチカ 7/29夏、散歩の後吐くことについて

7月1日(土)

<再び病院へ:市販のノミ・ダニ駆除用スポット薬は効かない?>

診察室に入って、キャリーの蓋を開けた段階から、
しゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!と怒り爆発のコチカ。
診察台へ乗せられたら、自動的にカラーが手渡された。
メガホンの真ん中から、鼻先にしわを寄せ、
しゃ〜しゃ〜言いっぱなしのコチカ。
もうね、ひとっつも恐くないよ、コチカ。

体重を量ると、3.8kg。
あれ、そんなに減ってないぞ^o^/

* * *

この間聞き忘れた、

1.皮膚に若干の傷と、脱毛を持っている今、ダーさんノンさんよけの薬をどうするか。
2.3種混合ワクチンをまだしてないけれど、今していいものかどうか。

を尋ねに行ったのである。

1.について。
問題ないとのこと。
でも、単に家ダニだったら、猫に寄生はしないので、
つけることもないけれど、といわれた。

へ〜そういうもの?

コチカを拾ってきた次の年から、身体にダニがいっぱいいたので(2002年7月)、
薬用ノミ・ダニ取りスポットを使い始めた。

そしてその次の年。
6月に家を2週間ほど家を空けたときに、
うっかりサツマイモを台所に残していったせいもあって、
ネズミが巣を作ってしばらく住んでいたことがあった。

そのときから2年ほど、ダニに悩まされた。
コチカはもちろん、人間も痒い思いをしたので、
以来、ダニ忌避剤ダニクリンと、
猫用ダニよけの薬は欠かさずにつけているが、

驚いたことに、
市販のサ○○ポットや、ペッ○○クトは効かないのだそうだ。
なんでも、医薬部外品なのであって、医薬品ではない、
用するに、医療には適した代物ではない、ということだった。

へ〜〜〜〜〜〜〜
道理で安いわけ?
でも効かないものを売るかしらん。

いやでもその前に、上記のどちらかをつけてみていて、
ノミもダニも退治できていたのは、どういうわけでしょうか?
信じる者は救われるってこと?
んなわけないでしょーいくらなんでも。

確かにダニの湧いた最初の年は、
いつになっても、コチカの尻尾にダニはいた。
でも次の年からは、全然ダーさんもノンさんも、姿を見なくなった。
私は薬のせいだと思っていたけれど。。

あるいはダニそのものがいなくなったってこと?
猫用ダニ除けの薬、というよりは、ダニクリンが効いていたのだったりして。

*

ワクチンについては、すっかり元気になってからにしましょうとのこと。
ワクチンを打ったことによって、病気を発症することもあるので。

……というわけで、今日は手短に終わらせて、
医薬品である、ダーさん除けのフロントラインを2つ買った。
なんだかこの間の義理を果たせた気持ちがして、ほっ(笑)。



 *  *  *  * 


7月2日(日)

食欲もそこそこ出てきた。
食べる量は少ないが、器に食べに来る回数は増えているようだ。


喉のしこりも、ちょっとは小さくなっているように思う。
何より、触っても痛みを感じなくなってきたらしく、
よしよしして〜、と頭を平らにしてくるようになったのだ。
ほっっっっっ

それにしても、なんだかしおらしいコチカ。
元気ではない、というわけではないのだけれど、
外に行きたい〜、というにも、声に力が充分入っていないような。。
第2回目くらいのサカリの季節も過ぎた、ということかな。

* * *

夕方の散歩。夫と。
アスカが寝そべっているお隣の門からなかなか動かなかったとのこと。

蚊除けスプレーをしていったが、30分以上たつと効果が薄れるらしく、
その上、汗っかきなので、蚊の餌食になりやすい。
痒い〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、とネを上げて家に入ってきた夫。
気の毒千万。。

コチカも左の耳をかまれて、ぷくっと膨らんでいる。
猫なので、足先で掻こうとするが、頬にまで爪が当たってしまうらしく、
今日は左の頬も、擦り傷がついてしまっていた。

傷を見ると、つい、消毒液を持ってきて、拭いてしまいたくなる。
猫だから、放っておいても大丈夫なんだから、あんまりかまいなさんな、
と思うのだけど。。



 *  *  *  * 


7月3日(月)

<散歩:出る・帰る、コチカとのかけひき>

朝と夕、コチカの外〜の声がかかると、割合待たせずに外に出た。
その代わり、戻るときには、やや強制的でもいいことにする。
コチカの行きたい方向にもう一度行きつつ、
もう帰ろ、ご飯しよ、カツオブシしよ、帰ろ、と5回も言う挙句のことなので、ご勘弁してもらわねば。
今度からこれで行こうと思う。

* * *

<食欲が戻りつつある>

喉のしこりは、急激に小さくなっている。
ご飯ももりもり食べるようになった。
やったー
もう大丈夫なような気がします。
ご心配くださった皆様、心から感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。



 *  *  *  * 


7月4日(火)

朝の散歩。
ミルキーに会った。
久々だけれど、堂々としたミルキーの姿形、いまだ衰えず。
通りのあっちとこっちでじっと見合っていたが、
そのうちにミルキーが場所を離れた。

やがてミルキーはチャコちゃんちの花壇の生垣の向こうにまわり、
花壇に鼻を突っ込んで熱心にくんくんし始めた。
こちら側からコチカが、すきあらば、と見張っている。
長々とものの匂いを嗅ぐのなんか、
リードで縛られているコチカくらいかと思っていたら、そうでもないのね。
雌猫の匂いでもするのだろうか。
ミルキーは、コチカが飽きるくらい時間をかけていた。

* * *

夕方の散歩。
チャコちゃんちのガレージで、
チャコちゃんちのご主人とお宅の向いの奥さん(アスカの父親を飼っていた方)と丸っこいおばあさんが談笑。

コチカと私が行くと、大したもんだよ、とチャコちゃんのご主人。
毎日ああやって散歩させんだもの、大したもんだ。
どうやら、コチカが大したネコらしい。
暗に、私もよくやる、と呆れられているのに違いないので、
犬だと思えばいいんですから…と言ってみたら、
アスカの父親を飼っていた奥さんが、
ネコはネコよぉ!とドラえもん声でダメ押し。
ダァ!
っそれを言っちゃあおしま〜い〜よっとぃ*^o^*♪

*

コロちゃんの彼氏なる若い男性が、お引越しをするのだそうだ。
ちぇ〜〜つまんない!
そうしょっちゅう顔を合わすわけでもないけれど、
コロちゃん、というと、彼、と頭の中ではカップリングされている。
ノラニャン同様、のどかなご近所の風景の一部として、とっても大切な存在なのだ。
夜な夜な塀の上でコロちゃんが風に吹かれながら、
彼氏を待っている様子を思うと、かわいそうだよーん。

ミュミュ改めミニ・ミーは、
ピックアップする作業にも時間がかかった上に、
膨大な数の画像を編集する際、ファイル名を変なふうにつけてしまったために、大混乱。
もうギヴアップのココロでした。
でも、6月15日の誕生日、7月にうちに初めて来た日には間に合わなかったものの、
里親さんに引き取っていただいた7月30日までには全部アップできそうです。
その第一弾は、いよいよ明日。
どうぞお楽しみに!



 *  *  *  * 


7月5日(水)

薄ら寒い曇り空な朝。

私が居間に座ってメモなぞを書いているので、コチカもすぐそばで丸くなっている。
静かなひととき…とのんびりしていると、ぱらぱらぱらと庇を叩く音が。
雨!雨じゃ〜ん!と私があわてた。

外行こっ、と声をかけると、のっそりと頭を上げ、
ごく当たり前に立って歩き出し、玄関へ向かった。

出てみるとまだ地面はそう濡れていない。
今のうちに早く行ってこよう、と思っているのに、こういうときに限って、
今ゴミ集積所になっている門の前のカラス除け網をくんくんしている。

東側に抜けた向こうの通りに、ライフ君。
飼い主さんは、私を見つけて、ライフ君を引っ張ってやってきた。

降ってきましたね〜と挨拶。
ライフ君は、もう出すものも出し、後は帰るだけ、とのこと。
よかったよかった!
では私たちも行ってきます、ではまた〜、
とわざわざ来てもらったけれど、さっさとお別れ。

チャコちゃんちの角を曲った通りを割合念入りにチェックしたので、
もう誰もいないでしょ、雨たくさん降ってきたからね、ご飯しよ、カツオブシしよ、
と呪文を唱え、抱っこして玄関へ急いだ。
何にも言わないコチカ。
さすがに、この雨ではまずい、と思ったのだろうか。

* * *

午後からPCに噛り付いている私の膝を、ぽんぽんとご機嫌伺いするコチカ。
そーっと手を伸ばして、正座をした膝の上に乗ってきた。
寒いのね。
まだこんな日もあるだろうと、ホットカーペットを敷いたままではあるが、
スイッチを入れるほどでもない。
しかしただ眠っているだけの身体には寒いのだろう。

膝の上に乗られてみると、ウホホ、あったか〜い。。
しばらくそのままで仕事を続ける。
暖かいからか、寝ているネコがいるので動けない、という頭があるせいか、
正座のまま、ものすごく集中した。
はっと気づくと、足の感覚がまるでない。
コチカを抱っこして持ち上げ、なんとか足を伸ばしたが、コチカは動こうとしない。
コチカ、狭くない?とか言っていると、両足に血流が戻ってきた。
わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ、
死ぬ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!



 *  *  *  * 


7月6日(木)

<コチカアンカの効能>

このところの睡眠不足のお陰で胸が悪い。
とうとう午後には意を決して昼寝することにした。

こういうときには、コチカアンカが役に立つ。
ソファに横になり、コチカをおなかに乗せる。
久々のことで、横になりながらコチカを抱き上げると、
な、何すんねん、という顔をしたが、おなかの上に乗せると、
ふーんなんだ、という表情になった。
もみもみもみもみ…ニットのサマーセーターを着ているので、
爪を引っ掛けながらも、なんとかもみもみした。

そして両手をそろえて、顎を乗せる。
私もおなか全体が暖かいけれど、コチカも暖かくて気持ちいいのだろう。
コチカはまもなく眠ってしまった。

目を下に向けると、コチカのとんがった鼻先。
柔らかい毛に覆われたネコの頭。
クッションに施した縫い目のような、逆八の字に閉じられた目。
至福の時。。
トロンとしてきた脳みその隙間(?)を、コチカの鼻息が吹き抜けていく。。

はっと気づくと、ものすごく長く眠ったような気がした。
いっけない!寝すぎた?
腕時計を見てみると、あらぁ、15分しか経っていない。
コチカはまだ眠っている。
おなかが暖められたので、内臓の疲れがすっかり取れたのだろうか、
さっきとは打って変わって頭がすっきりしている。
起きよう!
と思うのだけれど、微動だにしないコチカ。
30分寝るつもりだったので、後15分、そのままでいた。
今のこの頭が冴えきった状態で早く仕事をしたい。
こんなことは滅多にないことだし^^;

* * *

<二目櫛の芸術>

コチカの毛皮を二目櫛で梳いてみた。
後ろ足の膝の裏などの毛が分かれてきているのを、
脱毛だと思って病院に行ったら、
毛玉ができた部分が抜けたのでしょう、
ということだったので、購入した二目櫛。
1本の櫛に、1mm・3mm間隔の目が7cmくらいずつついているやつ。

梳いてみると、すーすーと櫛が通る。
それでも、毛がもつれているところは、わずかずつ抜けてくる。
荒い目をざっと通し、それから細かい方で梳くので、
無理に毛が抜けず痛くないらしく、コチカは逃げ出さない。
骨盤の上辺りの無駄な毛が結構抜けてきた。

ネコ用無駄毛取りブラシは、いくらそうっとやっても、
痛がって、やがて怒り出すが、
なるほど、これなら反感を買うこともなさそうだ。


その櫛についてきたコチカの抜け毛。
目に引っかかったのをカーペットになすりつけてみたら、こうなった。
なんかきれい。。


 *  *  *  * 


7月7日(金)

七夕なのにこの曇り空。
うまくすれば、スペイス・シャトルが見えると聞いたけれど、
そもそも星程度にしか見えない、という話。
こんなんじゃ全然だめ。。

コチカの食欲は全く元に戻って、というより、さらに旺盛になって、
このところの小食にちょっとプラスしたくらいの量にしてしまったら、
夜中に、おなかすいた〜ご飯〜、と言いにきた。

人間が寝ている、という状況をようくわかった上で、
大きな声ではなく、小さな控えめな声で、
しかし私が起きだすまで執拗に、ぃやぁ〜ぃやぁ〜、と鳴き続ける。

しかたなく起きて行くと、お皿がきれいに空っぽだった。
今までのことを思えば、わーい!なのだけれど、
これで嬉しがってあげすぎないようにしなければ。。



 *  *  *  * 


7月8日(土)

空前の空腹に襲われるようになったコチカに、
夕方遅くに帰宅した人間は、思い切り文句を言われた。

車をガレージに横付けすると、
まず二階の物見台から、ぅや〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!
と恨みがましい声が降ってきた。

おっと、と思っていたら、
ガレージのフェンスを開けたタイミングで、
またも、ぅやん!!!
と今度はガレージ後ろの洗面台の窓から。

はいはい、ご飯ご飯と玄関に急ぐと、
もう玄関に転がっていて、ドアを開けて私が入ってくる間に、
すばやく外の気配に目を泳がせ、匂いを収集しようとした。
ったく要領のいいことったら。

大声で文句を言うほどにおなかがすいているのなら、
外に出る前にご飯にしよう、と思っていたが、
やはり同じレベルで外にも行きたいらしいので、
それなら外を優先させる。
その方が早く帰ってこれるし^_^\

去年うちに1ヶ月いた子猫の写真、見てね。
黒い猫を撮るのは初めてだったのでピンボケが多く恥ずかしい限りですが・・



 *  *  *  * 


7月9日(日)

天井裏にネズミ
昨日の夜のこと。
ネズミの気配に、きっとした目で天井を見るコチカ。
天国への坂道を登り、
三角コーナーの神棚に登って、天井を見回す。
人間にはネズミの足音もさっぱり聞こえない。
天井裏のネズミの動きが見えているかのように、ぐるりと視線を動かす。
そして、相手の動きに合わせてだろうか、
立ち上がって、ささささ、と天井板に手を這わせる。
向こうも猫の気配に気がついたか、
たたたた、というかすかな足音。
あ、本当だ、ようやく人間もわかった。
やっぱり大したもの。。

* * *

今朝はご飯を3分の1ほど残していた。
昨日おとといで、このところ小食だった分を取り戻せたのかな。

* * *

夕方。
雨が降っていたので、散歩はないままご飯。
カツオブシをかけてやると、
コチカは空腹だったのだろう、猛然と食べ始めた。
しばらく外〜、外〜、とうろうろしていたのだけれど、
私の横にきて休んでいたら、
さっき食べたばかりのご飯を全部吐いた。
あまりに大量で、毛玉があるかどうかも探す気にならない。

なんで?
空腹な上に水分不足だったところにいきなり大量に食べたので、
胃液がついてこれずに、とりあえず吐いてしまったのだろうか。
夏は、ときどきこんなことがあって心配になるけれど、
今日のところは、その後も元気だし、
また最初からやり直しのように、よく食べているので心配はない。
その後お水も飲んだ。
食べる前に飲めばいいのに。



 *  *  *  * 


7月10日(月)

散歩の途中で、なじみのご近所さんに会う。
のんびり立ち話なぞをしていると、
コチカは、風通しの良い場所を選んで、腰を下ろし、くつろいでいる。
話をしながら、ふとコチカを見ると、向こうを向いていても、
耳がぴーんと人間の方を向いている。
話を聞いているのだろうか。

* * *

お尻辺りのもこもこの毛は、やはり、抜けやすくなっている。
ちょこっと飛び出ている毛の塊を、そうっと引っ張ってみると、
ごそっと抜けてくるのだ。
妙に気持ちよくて(笑)、くせになりそうなのだけれど、
毛が細いせいか、ちょっと引っ張ると、
どこでも簡単に抜けるので、要注意である。
両目櫛?二目櫛?で一日10回ほど梳いてやるくらいでいいのかも。
でも必ず忘れずにした方がいいのかも。

*

数日前にノミを見かけた。
コチカをおしっこさせた後、
私のおなかについた毛をゴロゴロで取ろうとしたとき、
Tシャツの上についていたのだ。
ということはコチカにいた、ということだけれど、以来見ていない。
そういえば、畳の上で1匹死んでたな。
なんで勝手に死んでたわけ?



 *  *  *  * 


7月11日(火)

朝、5時ごろに起こされた。
なんでだったか忘れた。
そのくらい眠たかった。
一度、朝、目覚ましが鳴るまで、
起きずに眠ってみたい。
はかない夢である。



 *  *  *  * 


7月12日(水)

朝と夕の散歩。
桃の木のあるお宅の駐車場で、
通りからリードの届くところをくんくんし始めた。
一心不乱、である。

チャコちゃんちの角から、
ときどきコロちゃんがここに座っているのが見えるけれど。
コロちゃんの匂いが濃厚にするのだろうか。
やんなっちゃうなあ。。

昔に読んだ、田山荷袋の「ふとん」を思い出す。
詳しくは思い出せないけれど、
老人が若い女性を部屋に住まわせていて、
一緒にいる間はずっとなんでもない顔をしていたものの、
女性が去ってしまうと、彼女が使っていた布団の襟口を貪るように嗅ぎまくる、というのが結末、だったと思う。
全く涼しい顔をしていたのに、最後の最後にあふれ出てきた老人の鬱屈していた欲望。。
読んだのがうんと若い時分だったので、げー、とうんざりした記憶があるけれど、
今日のコチカは、まるでその老人みたいだった。
朝も夕も。。

ま、コチカは普段からコロちゃんを見ると、
お約束のように追いかけてしまうので、許せるけどp^_^q



 *  *  *  * 


7月13日(木)

<暑いさなか、コチカと頭を暖めあう>

朝4時ごろ。
コチカに起こされてみると、あまりの暑さに思わず寝室を飛び出した。
ものすごい湿気。

居間に入り、クーラーをつけ、PCを開く。
するとジダンの会見の模様が載っていた。

マテラッツィから家族を侮辱する言葉を3回ほど吐かれた。
試合中の頭突きは許される行為ではないが、後悔はしていない…
というのを読み、痛く感動した。

彼にはサッカーよりも大事なことがあったのだ。
良いことでも悪いことでも3回重なったら、
なにかアクションを起こしてよい、というのは遍く人類の相場である。
ジダンの言うことが本当なら、彼は正しかったと思う。
彼は純粋にサッカーをし、家族も守り通した。
頭突きは暴力としていけないだろうが、言葉における暴力は許されるのか。
マテラッツィはどういう育ちをしてきているのか。
純粋にサッカーの技術を競って勝とうとしなかったマテラッツィこそ罰せられるべきであるっ!

私は感動したり頭に来たりしながら、寝室に戻った。
横になってもなにか興奮して眠れない。
じっとりとした気分で悶々としていると、
にゃあ!と頭ごなしに言われた。

闇をまさぐってみると、私の顔のすぐ横にコチカが触った。
どうやら自分の寝るところがない、と言っているらしかった。
コチカは私の枕の端に両手をかけ、顎を乗せるのである。
私は頭をずらし、おいで、と誘った。

それからまたかっかとしながらも、
コチカが毛繕いをしているのは知っていたが、
いつの間にか、うつらうつらしたらしい。

はっと気づくと、頭がかーっと熱い。
はては興奮のために熱でも出した?

熱い頭を動かしてみると、額がすーっとした。
なんかとっても熱いものが触っていた気がする。
髪の生え際に、ビロードを触ったような感触も残っている。
この感触、知ってるような…たぶん知ってる…いや、ようく知っている!

もしやと思い、手を伸ばしてみると、
コチカの耳の裏と額が水気で湿っている。。

え?これって私の汗?

なんと私はコチカの頭に、自分の額を押し付けていたのだ。
道理で熱いはず。。
コチカの頭をもう一度触ってみると、
濡れてない方の耳も、やはり熱い。
猫の体温は人間よりも高いから、
この暑いさなかに二人で頭をくっつけて暖めあっていたのだった。。

寒い冬なら気持ちいいところだろうけれど。
コチカは大丈夫なの?
というかまずうっとうしくない?
こんな小さい頭をこんなに熱くして、パーになりはしない?
と今度は当惑するやらおかしいやら。。



 *  *  *  * 


7月14日(金)

そうそう。
昨日の夕方のこと。

十字路の駐車場の辺りから、
もう帰ろうとコチカを小脇にかかえて歩いていると、

「ボクだって足があるんだから…」とコチカの後頭部から声が聞こえた。
と同時に、
すぐ左側からチャコちゃんちの奥さんが自転車で通りかかった。

声を聞いたとき、
猫のコチカがしゃべった!と一瞬ぞっとした。
でもまさか、と思いなおし、
自分の思考が幻聴として耳に聞こえたのだ、
と否定した直後にチャコちゃんちの奥さんと目が合ったので、
2度びっくりし、文字通り魂消た〜!状態になった。
膝の力が抜けしりもちをつき、コチカを放り出してしまった。
コチカも驚いたのか、地面にべちゃっと座り、すぐに立とうとはしなかった。

奥さんだとわかった後は、おかしくておかしくて、ゲラゲラ笑ってしまったが、

いかにも猫らしい声色で言った奥さんの声が、
どういうことだろう、低い目のブロック塀に反響し、
コチカが言ったように聞こえたのだろうか。
暑くてくたびれて頭がぼーっとしていた私は、見事にやられた
ったくもー奥さんったら、上手に言うものだからー

* * *

朝の散歩。
いつものコースを戻ってくると、うちの駐車場に連れていった。
車の下へ。

しばらくしてから見に行くと、
陽が当たるようになっているのをうまく避け、タイヤの横にへばりついている。
私の顔を見もしない。
もう家に入ろ、と無理やり抱っこして連れ戻ってみると、
コチカは階段下の棚の上に上ったものの、
ここは陽が差して、庭からも暖かい風が吹いてくる。
当惑げなコチカ。

そうか、家にいても暑くてくつろげる場所がないのね、
と再度ガレージにつれていき、車のドアにリードを結わえた。
さっと車の下にもぐりこむコチカ。
地面を触るとひんやり冷たい。
こっちの方が全然いいよね。
私も来たい。

さっき連れ戻しに来たとき、コチカが私を見ようともしなかったのは、
ここが気持ちいいので、家には入りたくない、という意思表示だったらしい。
そんならそうと、はっきり言いなさい…って昨日にみたいに人間の言葉で言われたら魂消るけど(笑)。



 *  *  *  * 


7月15日(土)

連日30度を越す猛暑である。
あと7月半分と8月丸々一ヶ月が残っているのに、
いったいどうやって生きていけばいいのでしょうか。。
今日は雷雨があって、雷が恐い私もさすがに大歓迎した。
雹などが降った地域は大変だったようだけれど。

去年の夏、おばあさんと歩いていた年中さんくらいの男の子が、
こんなに暑いんだから雪ぐらい降ったらいいのにねえ、
と言いながら通り過ぎていったのを思い出す。
ちょっとは気分が涼しくなる。

* * *

朝の散歩。
いつものコースをざっと歩くと、さっさと家の方へ。
門を通り越し、さっさと駐車場へ。
フェンスを開けて中へ入ると、当たり前のように車の下へ。
車のドアにリードを結わえ、っちゃんちゃん!

*

早い夕方から出かけた人間二人は、
あまりの暑さに、慌てふためきながら家を出た。
別に時間を急いでいたわけではないのだけれど、
暑いと呼吸が速まって、何をするにも勢いがついてしまって、
周囲が見えなくなってしまう。
そんなことありません?

帰ってきてみると、
昼間雨が降ったので閉めてしまった二階のコチカの物見窓が閉まったまま。
あーあ。
恰好の夕涼みの場所なのに。
ごめんね〜コチカ。



 *  *  *  * 


7月16日(日)

<明日はコチカの誕生日>

忘れないうちに書いておく。
明日は、コチカの誕生日と決めた日である。

出会って連れて帰った日が2001年の9月2日なので、
どうもその日が誕生日だと思い違いしがちであって、
マースくんの飼い主:ムートンさんに教えていただいたという始末。
もっとも、当のムートンさんも、私に言われて気がついたという話だけれど。

誕生日くらい一年を通して覚えているのだけれど、
なぜかその日が近づいてくると、コロッ!と忘れてしまい、
数日たってから、あ!と思い出すこと、毎年…である。
なんでかな。。

* * *

<ぺろぺろしてくれるくれない>

最近コチカは、よしよしするときに、
手(私の)を顔に持っていって、ぺろぺろして、というと、ぺろぺろ舐めてくれるようになった。

もちろん猫なので、
気分によって、ぺろっ、くらいのときもあるし、ぺ、くらいのときもある。
しかし、全然その気なしで、ぺ、もないときがある。
それでもしつこくぺろぺろして、と言ってみると、
たまに自分の体を、ぺろっ、とするときもあるが、
最終的には、
私の手から顔をそむけて、畳に思い切り頭を押し付け、
体も手足をなるべく重ならないようにバラバラに平らにして、
いやだよ〜ん、絶対にしないも〜ん!という姿勢をする。
まったく憎ったらしいったら。。



 *  *  *  * 


7月17日(日)

誕生日と設定した今日、あいにくの雨。

夜中に激しく鳴き立て、起こされた。
なんだなんだと思って起き出す。
先に階段を下りるコチカは、玄関に向かうのかと思いきや、
台所に行き、煮干をねだるでもなくご飯を食べ始めた。
何さ。
トイレに行き、出てくると、コチカは玄関にいて私を振り返った。
そのとき雨は降ってなかったように思う。
しかし寝室に戻ると、ぱらぱらと雨音が始まった。
やっぱりわかるの?雨が降り出すのが。

* * *

昨日は、ぺろぺろして、の要望にシカトして応えてくれなかったが、
それを気にしていたのだろうか。
今日は、ちょっと言っただけで、ぺろぺろしてくれた。
ありがとう、と言って、頭の天辺を撫ぜてやってから、
もう一度、ぺろぺろして、と言ってみた。
すると、またしてくれた。
やったー^o^/
3度目を所望したいところだが、してくんないと後味悪いので、やめておいた。

* * *

「大銀座落語祭2006」なるもののフィナーレ(新橋演舞場)を見に行き、
顔の配置が変わるほどゲラゲラ笑って、
夜遅くに帰宅した人間二人に、不思議そうな顔つきのコチカ。
あまりに遅すぎると、お帰り〜、でもなく、
なんでこんなに遅かったの?でもなく、
ただ、玄関に出てきてまん丸の目で人間を見つめるだけ。

ご飯をやって、人間はやれやれと居間に座る。
ずっと一人でいたので、ぺったりくっついてくるコチカ。
今日は誕生日なんだよ、と言いながら体を撫ぜる。
人間もビールで乾杯!といきたいところだけれど、
もう遅いので、ミネラルウォーターで乾杯した。



 *  *  *  * 


7月18日(火)

<人間が勝利した日>

雨降りでどうしようもない日。
人間が出かけている間、何をしていたか。
夜遅くに帰宅すると、汚れた顔で出てきた。
あちこちの窓を点検してみる。

廊下の縁側の窓を開けると、
網戸のフェンスになるばらばらケージの一枚が倒れている。
さては窓を開けようと頑張ったな。
鍵をかけておいて、よかったよかった。

玄関の使っていない靴箱…今や徹底的にガードしている…
の下のカーペットがめくれている。
なんとか隙間が開かないかと、引っかいたな。

いろいろやってみたものの、今回ばかりはきっちり閉まっていて、
思うように開けられず、冒険らしい冒険はできなかった。
残念賞でした!
でも、なにかすることがあって、よかったかも。

こうしてたまには人間が勝利することもあるのだ。



 *  *  *  * 


7月19日(水)

<コチカに座布団と膝掛けを取られる>

雨降りにて、ずっと寝室で寝ているコチカ。
お昼前くらいに、てってってって、と階段を下りる足音が聞こえてきた。
居間と台所の仕切りのカーテンをちょいっと手で開けて入ってくる。
私の目の前に止まり、ゎあ〜、と不機嫌な声。
ご挨拶なこと。。
おはよ。
まずよしよししてもらってから、うろりと台所に行き、
昨日の残りのご飯を食べ、それからまた私のそばに来て、
ぅわ〜、という。
外行かないよ、雨降ってるから、どうしようもないよ、と言ってやると、
恨めしそうな顔をして、またうろりと出ていった。

また入ってきて、
やーやー鳴くので、何かと思えば、窓のそばに行く。
窓開けろって?
言う通りにしてやったら、しばらく外を見ていた。
湿った空気が部屋に入ってくる。
たまには空気の入れ替えもいいか、と思い、
開けたままにしておいたが、今日は寒い。

通りを眺めるのにも飽きると、私にぴったりくっついて毛繕いを始めた。
コチカはときどき、私のおなかの辺りをじっと見る。
嫌ーな感じ。
今日は寒いので、私はムートンの座布団を敷き、膝かけをかけている。
コチカはその上に座りたいのである。

やがてコチカは毛繕いを終え、丸くなって眠ってしまった。
今のうちに、と思い、やかんをコンロにかけ、トイレに行き、沸いたお湯でコーヒーを入れて、居間に戻ると……
果たしてコチカは、座布団の上に置かれたひざ掛けの上に丸くなっている!
んも〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
とはいえ、猫だもの、このくらいの気温だと寒いのはわかる。
コチカの乗っているひざ掛けが4分の1くらいだったので、
私はもう一枚座布団を持ってきて座り、残りのひざ掛けを膝にかけた。
コチカは私の座っていた場所にいるわけだから、楕円形のテーブルのほぼ真ん中にいる。
しかし私はもうすっかり丸くなっている猫に遠慮して、その横に座布団を敷いている。
なんて優しい飼い主なんだろうと思わずにいられない!

* * *

<目下の命の洗濯>

夕方には雨は上がり、1日半ぶりに外に出た。
あ〜やれやれ…と私も思う。
コチカとのんびり歩くときには、精神のあり方が全然違うのだ。
生活のすべてについて、すっかりオフの状態にしているので、脳ミソがすーっと軽くなる感じ。
そうそう。
コチカとの散歩。
目下これこそが、命の洗濯なのでした〜


脚立の一段目に座って窓の外を眺める


 *  *  *  * 


7月20日(木)

昨日の夜、
臨時の野菜入れになっている箱の中のキウイを冷蔵庫に入れようとしたら、
ゴッキーが手に触ったので、ウギャッ!
ぎざぎざした足の感触が右手薬指の先に残って、それきり言葉が出ない。
仮死状態のまま突っ立っていると、様子を察した夫が来て、脳みそをかきまわしてくれた。。

2、3日前、ゴッキーの羽が2枚落ちていたことがある。
なんで羽だけ?
コチカは、決してゴッキーには手を出さないはずだったのに。

* * *

朝も夕も散歩。
久々に馴染みのご近所さんに会った。
寒暖の差にもめげず、みなさんお元気なのでなにより。

コチカが門から出るとき、小さなポメラニアンが通りかかった。
コチカを見たとき、ポメラニアンの頭の上に、!が飛び上がった。

リードをぴんぴんに引っ張って、こちらに来たそうにする。
飼い主さんが、こらこら、と牽制するのだけれど、
どうにも気になるらしく、くるくる回りながら、後ろを振り返る。

通りにはペッタンやミケちゃんらが腰を下ろしてご飯を待っている。
でも彼らには目もくれず、何度も何度もコチカを振り返る。
私は、なるべく下の方に腕を伸ばし、小さく手を振ってみた。
すると、飼い主さん(おじさん)が同じようなポーズで手を振ってくれた。
おじさんと手を振り合っても意味ないな、と笑ってしまったが、

十字路の駐車場をとっくに越し、
こちらからは小さなポメラニアンほとんど見えないくらいになっても、
まだ飼い主さんがてこずっている様子がわかる。
そしてとうとう抱っこされて行ってしまった。
また会えたらいいな。



 *  *  *  * 


7月21日(金)

朝から雨につき散歩は免除。

またもや座布団と膝掛けの争奪戦である。
コチカは自分が気分よく寝ているときに私が動くと、うにゃん!と怒る。
仲良くしないといけないのに、なにさ。
私の膝掛けを使わせてやってるんだのに!と返す。
でもコチカは、いつもの発作を起こして、噛み付いてきたりはしない。
少々は事態を理解をしているのだろうか、と私も気分を直す。

* * *

夕方。
道はまだ濡れているけれど、のんびり散歩。
空気がしっぽりしていてとても静か。

キャバリア・キング・オヴ・ウェイルズ・スパニエルのチェリーがやってきた。
我らが近所のチェリーと目出度くご挨拶。
互いにチェリーという名前だったことを初めて知ったとのこと。
スパニエルのチェリーは、3月生まれだから。
ご近所さんのチェリーは、桜の頃にやってきたから。
メロン、という犬がいたけれど、夏生まれだからだろうか。



 *  *  *  * 


7月22日(土)

散歩の際に草を食べるせいか、口の縁が黒く汚れている。
しかも左側だけ汚れるのである。
猫によってそういうことでも癖ってあるものだろうか。

* * *

夜中。
あまりに鳴き立てるので、またご飯が無くなったのかと思い、
一緒に階段を下りていったら、台所へは行かずに、玄関の方に行く。
私もついていき、まだ夜中だから行かないよ、○○も○〜○○も眠くてしかたないから、まだまだ寝てるから行かないよ、もうっちょっと待ってからじゃないとだめだよ、コチカも一緒に寝ようよ、二階、行こ!……まだまだ続く……
とおなかをぽんぽんしながら、長々と言ってやった。
するとコチカはしばらく、ん〜、と文句を言いがならうろうろしていたが、
私が寝室に戻ってまもなくしてからやってきて、寝た。

人間を呼び、玄関まで一緒に来て、ダメだといわれる、
という手続きを踏まないとどうにも気が済まないのだろうか。
不毛なのよ、まったくもー

で、起きる時間になっても人間よりも遅くまで寝ているのである。
昼間もずっと寝てるくせに。
ちょっとは眠りを分けてもらいたい。



 *  *  *  * 


7月23日(日)

数日前から下顎が赤く腫れているのか汚れているのか、
なにか毛の白さが減っているように見える。
毛根に若干黒い何かがついているようにも見える。
触ってみても嫌がらないし、ならば痛くもないのだろうから、
放っておいてあるが、口の端が汚れるのと関係あるのだろうか。

そういえば、先日、チャコちゃんちのご主人が、
チャコちゃんが後ろ足の指(だったかな?)をよく舐めるんだけど、
と言っていたが、コチカもである。
そのときの話では、ノミがいるからかなあ、ということになったけれど、
うちでは、一度ばかりノミの姿を見たが、それきりである。

人間だって、虫に刺されてもいないし、
皮膚を見てもなんともないのに、なにか痒かったりするから、
動物だってそんなものなのかも知れない。

でも痒みの原因は必ずあるはずである。
いったい何なのか。
目には見えないエイリアン的存在か。
むむむむ。
ノミでもいてくれた方が、話はすっきりするのかも。。



 *  *  *  * 


7月24日(月)

朝から雨。
このところの睡眠不足でかったるい私。
洗濯もしないし、夫が出かけてから、居間で横になってみた。

いつになくゴロリとなっている私に、しめしめ、と近づいてくるコチカ。
猫って人間のそばで寝るのが好きだけど、
その場合、人間が座っているよりは、寝ている方が好都合らしい。
横になって肘をついて手で頭を支えた恰好の私の丸く湾曲したおなかに鼻先を寄せ、
まずありようを点検。
一通り胴体の形状を丹念に確かめてから、
くるくると2回転ほどして、腰を落とす。
なるべく身体を私の身体に沿わせる。
コチカの背中が目の前にある。
触り放題のビロードの感触。
ムヒヒヒヒ。
こういうのってだ〜い好き。
猫と暮らす醍醐味の一つである。

とはいえ、起きたばかりの朝なので、やはり全然眠くない。
眠るのは好きだけれど、コチカほどでもなく、
眠れず、何にも考えることもなく、ただじっとしていることに退屈してきた。
起き上がりたいけれど。。
コチカを見ると、私の気配がわかるのだろうか。
後足の上に乗せた顎はそのままに、目だけじろりと上に上げて、様子を伺っている。
弱し。。
ここが運命の分かれ道である。
かわいい猫にかまけて、うだうだを無理に続け、一日の始まりを棒に振るか、
それともどうせ寝ている猫なぞ無視して全然別のことをし、発展性のある朝にするか。

私は決めた。
起きるから!と元気に声をかけて私は起き上がった。
コチカは、頭を上げて、そして私がどうするのかじっと見ている。
私の勝手でしょ〜ほっといて!

* * *

夕方の散歩。
雨が上がったわずかな時間に散歩に出た。

アスカがお隣の植え込みの下にいる。
コチカを見ると、あ〜、と言って門の中に入っていき、またちょこっと顔を出した。
とー然、コチカはのこのことそばへ寄っていく。
アスカは、門の横の小さなドアの下から入っていこうとして、止まった。
尻尾をかーっと上げ、お尻の穴まで見せたまま。
とー然、コチカ目の前に据えられたお尻を、くんくんする。
アスカは知ってか知らずか…知ってるに決まっている!!!…動かず、コチカに嗅がせていた。
OKかも、と思わされたオス猫コチカは、
あるいは、別にどうでもいいのけれど、
このまま何もしなければ失礼にも当たる、と紳士的判断をしたのだろう。
腰のあたりに飛び掛った。
すると、アスカは、しゃー!!!と怒った。
アスカを見ると、お饅頭顔の鼻にしわを寄せ、本気で怒っている。

だから私は頭にくるのだ。
その気にさせておいて、ぎりぎりまで自分もスリルを楽しんで、
そして、しゃー!!!である。
うちの猫を、日常的に弄ぶというふてぶてしい態度。
腹立たしいったらもー



 *  *  *  * 


7月25日(火)

朝。
さらさらと細かい雨が降っている。
なんとなく外に出てみたくなった。
雨なので散歩はないに違いないと諦めて、
物見台の上で寝そべっているコチカに声をかけ、外に出てみた。

絹雨というか。
こんな日に、傘もささずに外にいるなんてことは、滅多にない。
猫の散歩をしているのだから、という立派な理由があるので、こうしていられる。

頬に触っても冷たくも感じないくらいの細い雨。
空を見上げると、意外に低い位置から降っている。
すぐ頭の上に天があるようで感激する。
私の周りで、一早く空に上っていった人々は、割合身近にいるのかしらん。
もうすぐお盆ではあるけれど。
こんなに空が近いと、わずかに息使いが聞こえてきそうな気が。

そういえば最近のコチカには、子供らしい魂が宿っているように思う。
出会ったときから数年は、
亡くなったばかりの私の父親の生まれ変わりだと思っていたが、
いつの間にやら、そんなことも忘れていた。
コチカからは、暖かく良い意味を持った言葉の大切さを教えられた。
言霊の奥の深さを思い知らされた。
そのことで私は、
父は実は、乱暴な言葉が決定的に嫌いだったのだ、と初めてわかったのだ。
生前には思いもよらなかったことである。
機関銃のようにしゃべりまくる母と一緒にいる空間で、
私にも母にも伝えられなかったことは、それだった、
とコチカと暮らすようになってから、私は思い当たった。

それを私に伝えて父は満足したのだろうか。
コチカと一緒にいて、この猫は父である、と思うことなど、とんとなくなった。

最近のコチカは…猫がどう工夫しても開けられないようになった網戸のために、
脱走不能になったことにもようやく諦めがついた頃からか…、
人に甘えるだけの、単にかわいい猫になってしまった。

父でなければ、エイリアンのような、
別次元の生物のようにも思えることもあったけれど、またそれとも違う。
欲望をすっかり捨て、寄り添う人(私)に従順な者。
そんな人、私の周りにいたためしがないけれど。。
私の恋人になりたくて、なれなかった人…いくらもいるかも(爆)…の魂だったり?
そんな感じでもない。
今こそコチカは本来の猫の姿でいるのだろうか。
本来の姿って何?
頭が混乱してきた。
アホなことばっか言うとんない(言ってなさい)、と母のいらだった声が聞こえる。
ときとして私の精神の縦横前後がおかしくなってしまうのは、
やはりあの母のココロない言葉のせいのように思う。
諸悪の根源は、母なのである。

なんだか立っているのがきつくなってきた。
いつの間にか絹のように柔らかかった雨が、ガラス棒のようになっている。
もう帰ろう、とコチカを抱き上げた。
まだそこらをくんくん点検しているのに、
急に抱き上げられたコチカは、何にも言わない。
そうなのである。
こんなときの人間の心のありようを、コチカは理解する。
コチカの身体の五感から張り出されたアンテナには、
周囲の猫ばかりではなく、
そばにいる人間の様子も逐一キャッチされていて、
私のこともちゃんと把握されている。
やはりコチカは私には限りなく優しい存在であって、
おまけに肌触りのよい、ふわふわの毛皮まで着た、
なくてはならないつれあいなのです。



 *  *  *  * 


7月26日(水)

久しぶりに暑い日。

朝の散歩。
特に何事もなく無事終わり、
ガレージのフェンスにリードをひっかけておく。
定期的に窓から覗いてみると、
時間と共に動いていく陽をうまくよけて、
コチカもわずかながら場所を移動している。
コチカ時計のできあがり!

* * *

夕方と言っても出かけていたので、8時をまわってからの散歩。
誰かがいた。
暗くてよく見えないけれど。
2回ばかり走らされた。
最近、トラ柄の新顔ネコがいるけれど、それかな。

*

<自力でおしっこ!>

コチカは、ときどき道路の端を掻いてトイレ座りをする。
ほこりや砂が溜まっている場合があって、
なにか汚い気がするので、やめさせるときもあるが、
砂も何も溜まっていないコンクリートでも掻いたりする。

今日もまた、アスカの居候先に面した十字路の駐車場側で、掻いて座った。
神妙な顔をしてじっと座ることしばし。

やがて立ち上がると、いつになく砂を掻き戻す動作を熱心にした。
このところの雨で、外に出ていなかったために運動不足になっていたのだろうか、
今朝もおしっこをさせようとしたら、おなかの中が出るべきものでゴロゴロしていたので、
もしや?
と思ったのだが、違った。
なんと、おしっこがわずかに出ている!
これもまた快挙。

夏には1回くらい自力ウンチをすることがあるが、おしっこは多分初めて。
うひょひょひょひょ〜〜〜〜なーんとなんと!
写真に撮りたい衝動にかられるけれど、
これからカメラを撮りに帰るのもなんだし、フラッシュ焚いて撮るものでもないし。
その前にそんなに手間をかけていたら乾いてしまうだろう。

自力でできたとしたら、何故なのか、全然わからないけれど、
こういうことを地道に重ねていけば、そのうちに自分でするようになるのだろうか。
まだまだ諦めてはいけないのねー



 *  *  *  * 


7月27日(木)

午後、外出先から帰ってきたとき、コチカは出迎えにこなかった。
居間に入る前に、着替えたり物をかたづけたりし、
トイレに入っていたら、うにゃ〜ん!と言いつつ、コチカが来た。
声に力を込め、まっすぐ私の目を見て向かってくる。
そして、ただいま、というと、突進するように私のすねに向かって頭をこすり付け、
また人の顔を見上げる。
きっとした目をし、なんか顔全体に勢いがある。

つい両手を伸ばして、顔をはさみ、ちゃちゃ〜などと言いたくなる。
こうして強制的に人によしよしさせる。
何か悪いことでもしたような気分になって、
どうあってもコチカの意に沿うよう、
ただいまただいま、の歌を歌ったりして、熱心に身体を撫ぜ、
つい夢中でよしよしする気分にさせられるのである。
大したもの、といつも思う。
いっしょけんめ生きる、ってこういうことなのね、なんて。。

* * *

朝、そういえば、嘔吐した。
まず未消化の草を吐き、その後で、毛玉のまじった胃液を大量に吐いた。



 *  *  *  * 


7月28日(金)

<ミルキーの耳の蚊!>

朝の散歩。
ミルキーがチェリーンちのガレージに来て、ご飯を食べようとしている。
車の裏からやってきて、通りに出ようとしたところで、
コチカがいるので足が止まってしまっている。
コチカもじっと見ている。

でもコチカには私がリードで繋がれているし(猫から見たら多分こう見えるに違いない)、
コチカも動こうとしないので、
車の前に置かれたご飯の器をめがけてミルキーはそろそろと出てきた。

器の中の猫缶のフレークみたいなのを食べ始める。
蚊が一匹ミルキーの頭のまわりにやってきた。
左の耳に止まった。
ミルキーは耳を動かして、蚊を払った。
一旦飛び立った蚊は、右の耳に止まった。
また耳がはたはたと動く。
今度は蚊も要領も得たのだろうか。
容易には逃げない。
ミルキーは耳に蚊を止まらせたまま、ゆったりとご飯を食べている。
そんなんじゃ痒くなるよ、と思わず、リードを引っ張りながら歩み寄った。
コチカも従順についてくる。
するとミルキーは…当然なのだけれど…、
ご飯の器から顔を離して、さっと逃げていってしまった。
車の後ろ側にまわり、塀を登ろうと上を見上げる。
右の耳にはまだ黒い点が。。
あーあ、痒いぞ、きっと。

* * *

<繊維摂取につき、滑り出るウ○チ?後ろめたいコチカ>

散歩にいく道のりのあちこちでネコジャラシの葉が成長してきて、
おやつには事欠かなくなった。
ちょっと入り込んだところにあったりすると、
私が手を伸ばして採って口元に持っていってやる。
そんなで、今日は朝から結構食べた。

夜、私がご飯の仕度をしていると、
コチカがにや〜、といいながら通り過ぎていくので、夫がウンチをさせた。
そして洗面台で手を洗い、戻ろうとしたとき、
コチカが洗面台の窓から飛び降りていったので、
それを待って、夫が足を踏み出すと、お!と充分体重をかけてなかった足を上げた。

スリッパの裏を見ると、黄色い大きなウンチが、こなごなになろうとしているっ!
げー特大だよ〜ん、とげんなりした声。
繊維質を多く含んだウンチらしく、生成が柔らかく、緑っぽい。
しかも、本当に、特大!
このところ繊維を豊富に摂っているので、ウンチの滑りがよくなって(?)、出やすくなっていたのだろうか。

わーん、ショックだよ〜、と嘆く夫。
あまりに気の毒なので、包丁を置き、ティッシュを大量に取って、ふき取るのを手伝った。
なんのこれしき、と振り返ると、コチカが台所の隅で、
後ろめたそ〜な様子で座り、上目遣いにこちらを見ている。
こんな様子は滅多にしないので、悪いことをした、と思っているに違いない。
ほらコチカ、○〜○○にごめんね、って言わなくちゃ、
と優しく言いつつ、床とスリッパを消毒し、手を洗って、夕食の支度のフィニッシュにとりかかった。

私がテーブルにつこうと居間に入ると、コチカは所定の位置に先に座っていたが、
あ、という感じで腰を上げ、私の方に歩み寄った。
こっちおいで、と誘うと、コチカは私のそば、いつもの位置に来て座り、私を見上げた。
まだなんか複雑な気分でいるらしかったので、
すぐにコチカの歌を歌ってやり、体をいっぱい撫ぜてやった。
するとようやく安心した様子で、バタリと腰を落とし、毛繕いを始めた。
猫の割りには、わだかまりを結構心に残すのでは、と思う。
一緒に暮らしているから、わかるものかもしれないけれど。

* * *

朝、駐車場で休んでいたコチカが、また嘔吐。
泡になった胃液だけ。



 *  *  *  * 


7月29日(土)

少々遅い時刻の朝。夫と。
アスカがお隣のお隣の車の下にいた。
でもコチカは、知ら〜んふり。

夕方の散歩。夫と。
お隣の庭にアスカ。いつものように。
コチカはまた知らんぷり。

どうやらアスカはぐったりしているらしい。
暑いからねえ。
こんなときには、ぐったりしている物同士、
寄らず触らずがベター、と暗黙の了解でもあるのだろうか。

* * *

<夏、散歩の後吐くことについて>

朝の散歩の後、
無事帰ってきたご褒美の煮干と、ご飯をむしゃむしゃ食べ、
そして私のそばに来て、腰を下ろしてくつろいでいたが、
突然むっくり座りなおし、1回しゃくりあげると、
さっき食べたものをゲボッと吐き戻した。

これで3日連続吐いたことになる。
朝、体の水分が少なくなってきているのに、
そう簡単に水を飲みたいとも感じない猫は、そのまま散歩に出かけてしまう。
そこで暑い思いをし、少々くたびれたところに、カリカリご飯をそこそこの量を食べるものだから、
胃がストライキを起こすのではなかろうか。
夏はいつもこんななので、いろいろなカンを総動員して考えてみるのだけれど、
さあ、今年はどれだけ心配しなくて過ごせるだろうか。。



 *  *  *  * 


7月30日(日)

もう7月も終わり。
ようやく8月になる。
今年は7月半ばから異常に暑かったりしたので、
7月からこんなんでどうなる?と8月になるのを待ち望んでいた。
こんな心持ちでいたら月日が経つのが早くなるけれど、しかたがない。
早く進んで、冬になって、スキーに行きたい!

* * *

からりとした待望の、夏。
今日こそ正しい夏日和、である。

朝の散歩。夫と。
そう早くもない時刻だったけれど、
比較的涼しい日なので、地面もそんなに暑くなかったのか。
今日は吐かずに静かにしている。
階段下の庭に面した窓辺で、ずっと動かず寝ている。
体があれだけ小さかったら、私もまねしたいところ。
緑の匂いを含んだ風がふんだんに吹いてくるのだもの。
ちょっとしたリゾート地の雰囲気が満喫できるに違いない。

でも午後を過ぎたら、直射日光が体に当たるようになった。
コチカの尻尾はまだ完全に毛が生え揃っていない。
なので強い日差しを浴びて、また皮膚のトラブルでも起きたら大変、
と思い、そこらにあったボール紙で日よけを作った。

コチカは、わさわさばたばたしている人間をよそに、
両手に顎を乗せ、緑の風を楽しんでいる。
でもときどき、私が通りかかると、にゃ、と高く高く小さな声で、呼びかける。
か、かわい〜
思わず、そばに寄っていき、手を出してよしよしよし〜、
気持ちのよい風を顔に受け、しばしぼーっとする。
こうして家事の合間に、いちいちコチカの相手をし、結局さぼってばっかいる私なのである。
いいのである。
夫が私の3倍はテキパキしていて、モノゴトは滞りなく進み、やがて終わるから(笑)。



 *  *  *  * 


7月31日(月)

もう秋?と思うような日。
実際、みんみんぜみが鳴いている。
みんみんぜみなんて、夏の終わりに鳴くものでは?
なんか間違ってない?

* * *

朝の散歩。
チェリーんちのガレージを通りかかったら、
黒い影が車の後ろの走り去り、ぴょんと塀に登った。
クロキだった。
コチカと私を見て、しゃー!!!と言った。
そんな遠くから言わなくても。。
よほどコチカが嫌いなのね。

*

駐車場に繋いでおいたコチカを見に行ったら、
陽の当たる地面に両手を伸ばしてドヘ〜となっていて、
私が近づいても、こっちを見もしない。
きっと気持ちいいのだろう、と午後が過ぎるまで放っておいた。

* * *

ミルキーの飼い主さんに会った。
食べてるんだけど、痩せてるのよ、と困った様子。
飼い主さんの足元には、ミルキーが首筋を何度も何度も摺り寄せて、くるくる回っている。
私が見たところ、コチカよりも大きい感じではあるけれど。
下痢をしているので、薬を飲ませている、とのこと。
ご飯はもりもり食べるのだけど、と言うので、
チェリーんちのガレージに食べに来てますよ、と言ったら、
え?!と驚いていた。
もしかして、それでおなか壊したとか?

耳を見ると、傷になって赤いカサブタができている。
痒くて後足でかきむしるのだろう。
ちょっと前に、蚊が止まっていた(7/28)という話をしたら、
枇杷の焼酎漬けをつけておこう、と言っていた。
30度以上の焼酎に、枇杷の葉の細く切ったものを漬けておいたのが、
切り傷、擦り傷などによく効くとのこと。
へ〜
今度作ってみよっと。



 *  *  *  * 


61 ⇔ 63